周瑜は、花屋に来ていた。
堅パパに廊下ですれ違いざまに耳打ちされたのだ。
今日は、西の果ての国では恋人同士の聖なる日らしい。
大切な相手に心を込めて花を贈る日という。
たまには、素直に気持ちを伝えてみたらどうだ?と
周瑜は孫策に似合うものをと、必死に花を選んでいた。
その日の夜、周瑜は孫策の部屋を訪れた。
なんと、言って渡せばよいのだ?花など、喜んでくれるだろうか?
緊張しながら、扉を叩く。
入室を促す返事に、周瑜は意を決して部屋に足を踏み入れた。
「今日は、大切な相手に花を贈る日だと、大殿に聞いたから・・これを、伯符にと」
「へぇ〜お前からとは珍しいな!」
周瑜が孫策に差し出したのは、目の覚めるような黄色い薔薇の花束だ。
おいおい、よりによって黄色かよ?っと苦笑しつつ受け取る。
こいつ、花言葉を知らないのか?きっと、知らないんだろうな・・・
でも、どうしてこう絶妙なものを選ぶんだか、
そんなに、いじめてほしいのかよ!?
「お前・・まさか花言葉を知らないのか?それとも、知っていて、俺へのあてつけか?」
え?なにを??と戸惑いを浮かべる周瑜を楽しげに眺める。
「黄色い薔薇にはな・・・嫉妬、誠意がない、愛が薄れる、別れようって意味まであるんだぜ」
「ぃや・・そっ・・・そんな・・・」
そんなつもりではと慌てる周瑜を壁際に追い詰めると、
バン!!っと顔の横に両手をつくことで、言葉を遮り、退路も塞いでしまう。
ぐいっと顔を近づけると、低い声音で問う。
「お前、俺のこと愛してないのかよ?別れたいって思ってたのか?」
ぶんぶんと首を横に振り、必死に否定する周瑜に、
孫策は、やっぱ可愛い反応しやがるぜ!と嬉々として、さらに周瑜を追い詰める。
「どういうつもりで、黄色い薔薇を選んだんだ?ん?言ってみろよ。」
私が花言葉を知らずに選んだと・・・分かっているくせに!!
どういうつもりでだと?
ただ・・・目の覚めるような黄色が伯符に似合うと思っただけなのに・・・
しかし、追い詰められると、増々素直になれない周瑜は
つい、憎まれ口を叩いてしまう。
「誠意がない、とは・・君に似合いだろう。」
そんな、周瑜を孫策は、相変わらず楽しげに見下ろしている。
「俺は可愛い子には手が早いしな〜
それに嫉妬してるお前の気持ちも現せて丁度いいよな。」
誠意がないと言われても、否定すらしない孫策には呆れてしまう。
「でもな・・お前の嫉妬は心地がいいんだぜ!」
心地いいだと?伯符は嫉妬する私を楽しんでいるというのか!!
思わず、孫策に掴みかかったところを、そのまま抱き込まれ・・・
「お前自身の身をも焦がすほどの激しさじゃないか。お前、俺のことを・・・随分と激しく愛しているんだろう?」
全てお見通しだぜ、と囁かれて、真っ赤になる周瑜に
孫策は満足げな笑みを浮かべると、
己の欲望の赴くままに、激しい口付けを仕掛けていった。
花言葉を知らずに黄色い薔薇を贈って、
孫策にからかわれればいい〜vV
って思って堅パパには花言葉の件を伝えるのをウッカリ忘れていただきましたv
それに、蛮勇孫策には・・・黄色とかインパクトのある色が似合いそうなので・・・