張遼は何かを必死に探しながら、馬を駆っていた。
今朝、呂姫に耳打ちされたのだ。
文遠、知ってるぅ〜?今日は、恋人に花を贈って気持ちを伝える日なのよ。
きっと、あなたが花を贈ると、喜ぶ人がいるんじゃなくて?と
そして・・・花言葉というものがあるのだとも。
呂姫に教えられた花言葉の中には、私の呂布殿への想いを的確に現す花があった。
呂布殿には、ぬくぬくと育った花屋の花ではなく、
力強さのある、野に咲く花を贈りたい。
張遼は、目的の花を探し、野を駆けていく。
その夜、呂布の部屋を訪れた張遼の手には、昼間摘んできた花が握られていた。
花など・・興味を示してくれるのだろうか?
呂布の反応に一抹の不安を感じながら、入室を促す声に、そっと足を踏み入れた。
張遼は、呂布の側まで歩み寄ると、握り締めた花を差し出す。
「殿、これを受け取っていただけますか?」
張遼が差し出したのは、マーガレットだ。
美丈夫な張遼と可憐な花の組み合わせに、
「お前が花など・・珍しいな」
と、呂布は驚きを隠せない。
「はい。今日は、恋人に花を贈り、気持ちを伝える日ですので。」
しげしげと、花を見つめる呂布に、知らないだろうなと、思いつつも尋ねる。
「殿は、花言葉をご存知ですか?」
「いや、知らぬ。」
「この花には、誠実さや、真実の愛という意味があるんです。
呂布殿への、忠誠と、決して裏切ることのない愛を伝えたいと想いました。」
張遼の気持ちは嬉しいが・・・俺への皮肉も含んでいるのかと勘繰ってしまう。
「それは、裏切りを繰り返した俺への当てつけか。」
自嘲気味に笑む呂布に、いいえ、そのようなことはありませんと、張遼は言い募る。
「私は、殿には、お心のままにと・・・・他人への誠実さなど必要なのですか?
殿ご自身にさえ、殿のお心にさえ忠実であっていただければよいと思いますが。」
思わぬ張遼の言に、己を慕うその視線に、なぜか暖かいと感じた。
「そうか・・・」
「私は、殿の全てを愛しておりますから。それが、真実の愛というものでしょう。」
微笑む張遼に、己を見つめる視線に、
「文遠・・・」
そっと、張遼の字を呟くと、引き寄せられるように、口付けを落とした。
すみません・・・まだキャラが掴めていません。。。