どこからか、羽子板と羽を手に入れてきた堅パパは、
周瑜様、孫策、周泰に、
「異国の遊びなんだが、4人で勝負しないか?」と持ちかけた。
板で羽を弾きあい、落とした者が顔に墨を塗られるという遊びだという。
「面白そうじゃないか!!やろうぜ!!」
と乗り気の孫策に引きずられるように、4人での勝負の幕が上がった。
相手が取りやすいようにと柔らかに羽を返す周瑜様と、
相手が怖くて??柔らかにしか羽を返せない周泰と異なり、
孫策から周泰&堅パパに、堅パパから孫策&周泰に返される羽は、
相手に羽を落とさせてやろうという意図があからさまな強烈な勢いだ。
「ざまぁみろ、幼平〜」
「さすが、鈍足槍兵だな、馬鹿息子め〜」
機動力を生かして、孫策からの強烈な羽を見事返す堅パパを除き、
孫策と周泰の顔はすぐに、墨だらけになっていった。
もう、二人とも、勘弁してください・・・と顔を墨だらけにしながらも、
必死に羽を追う周泰が、
ひと際強烈な孫策からの一撃を何とか返したのだが。
しかし、当たり所の悪かった羽が急激な角度を描いて周瑜様へと飛んでいく。
やばい!!公瑾殿〜なんとか返してください・・・でないと、私は・・・
嫌な予感に青ざめる周泰の願いも虚しく、
周瑜様が羽を取り落としてしまった。
ニコニコと堅パパが、周泰に筆を差し出す。
「幼平、ちゃんと公瑾の顔に墨を塗れよ!公瑾も今まで無事だったのに残念だったなぁ〜」
一人楽しげな堅パパだが、周泰はそれどころではない。
背後から、凶悪なプレッシャーを感じる。
俺の公瑾の綺麗な顔に下手なことしやがったら・・・・分かってるだろうな?
孫策からの圧力にビビル周泰は、どうしょう、どうすればいいんだぁ〜と必死に考える。
筆を握り締めたまま、固まる周泰に
「遠慮はいらないぞ」
と墨を塗りやすいように周瑜様は瞳を閉じた。
その無防備な表情に周泰は、今まで感じていた恐ろしさも吹っ飛ぶほどの胸の高鳴りを覚える。
周泰は、そっと周瑜様の頬に手を添えると、その美しい顔に意を決して筆を落とした。
触れる筆先に周瑜様がくすぐったいと身を捩る。
しかし、すぐに離されていった筆先が残した落書きに孫策、堅パパ、周泰は目を見張った。
かっ、可愛い〜〜!!幼平これなら許す!
おいおい、色気が3割増しじゃないか?
ああ、更に儚さが加わって直視できないほどです!!
周泰の筆により周瑜様の目元に黒子が書き加えられていた。
周泰のグッジョブにより、波乱の羽子板対決は平和な終結を迎えたのだった。
周瑜様は、自分にはあんまり被害がないので、しょうがない方達ですね。って
苦笑を浮かべつつも付き合ってくれてそう。
っで、むきになる親子に振り回されて被害を被るのは周泰の役目でv