「おい、公瑾!!これ、知ってるか?」

孫策の手に、握られているのは、太巻き(寿司)だ。

「いや・・・・何だそれは?」

「恵方巻って言うんだぜ。今年は、北北西を向いてこれを食べると福が呼べるらしい。」

しげしげと、孫策の手の中の食べ物を眺める周瑜に、まあ、食べてみろよと手渡す。

「伯符は?」

「俺はもう食ったから、これはお前に。結構美味かったぜ!!」

すでに食べたと聞いて安心した周瑜は、方角を確かめると、太巻きに口をつけた。

確かに、これは美味い。一口食べた周瑜が、孫策に礼を言おうとした瞬間。

背後から遮るようなタイミングで孫策の声が聞こえた。

「これ、食べ終わるまでは、声を発してはダメだってしきたりだからな。絶対に喋るなよ。」

孫策の忠告に出かけた言葉を慌てて飲み込む。

早く食べ終えてしまおうと、咀嚼する周瑜の背後に孫策がピタリと身体を寄せてきた。

え??なにを?と途惑いを見せる周瑜に構わず、孫策の手が服の合わせ目から忍び込み・・・

ちょっ、伯符!?と、思わず抗議の声を上げようとした周瑜の口を塞ぐように、恵方巻が中へと押し込まれた。

「うぐぅ・・・んん」

「喋るなって言ったのを聞いてなかったのか?・・・・お前・・・孫呉の運気を落とす気か?」

苦しげに喉を鳴らす周瑜の耳に落とされた孫策の囁きは低く、機嫌を損ねてしまったのだろうかと焦りが走る。

「さっさと、食えよ。」

でも・・・そんなにグイグイ押し込まれたら、食べたくても食べられない。

せめて、押し込んで来る手を止めようと手を伸ばすが、とがめるように耳朶を食まれ、力が入らなくなる。

あっ、ダメ・・伯符・・・・こんな状態で・・

肌を這い回っていた手が、下肢へと伸ばされるのを、止めることが出来ない。

慌てて抗議の声を上げるが、恵方巻きに阻まれ、ただ唸り声が漏れるだけだ。

「食わねぇんなら・・・・・・先に俺が喰っちまうぞ・・・」

そして、抵抗の封じられた周瑜は・・・・・








恵方巻きを食べ終わる前に、自分が美味しくいただかれてしまったのだった。






ちょっと、遅くなりましたが・・・結局やってしまいました。
下品ですみません。
きっと、蛮勇でやったのがいけなかったと思われ・・・・・










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