「張悌!!俺を信じて、その身を預けてくれ!!」

騎馬隊中心の対魏軍戦の真っ最中、沈瑩からのいきなりの懇願に、張悌は目を瞠っていた。

「な・・・何を!?戦闘中だと分かって言っているのですか?」

「いきなりですまないが、事前に相談する暇がなかったんだ。だが、乗ってくれたら嬉しい・・」

真剣な沈瑩の瞳はキラキラと輝いている。

何を言い出すのかと、始めは戸惑ったが・・・なにか、有効な策でも思いついたのだろう。

言葉が足りないから、吃驚してしまった。

私があなたの言葉に、一々心を揺さぶられているなんて、分かっていないだろうから性質が悪いんです。

「まずは、どうすればいいのか言ってみてください。場合によっては協力しましょう。」

隣を見ると、満面の笑みを浮かべた沈瑩と目が合ってしまった。

まだ、協力すると約した訳ではないのに・・・どうしてそんなに・・・

「本当か!?じゃあ・・・自城前の柵も櫓もない場所に配置してくれ。」

だから・・・まだ・・・・って、なんですかそれは!?

「私に、無防備に騎馬の突撃を受けろ・・・ということですか?なんのために?」

コス1の私でも、唯一あなただけは・・・・この身を惜しんでくれていると思っていたのに。

勝手な言い分だと分かってはいるのに、何故かとても悲しかった。

やはり、私はあなたに振り回せれてばかりだ。嫌になってしまう。

「いや、絶対にお前は撤退させない!!約束する。この作戦はビタ止まり上等なCOM相手には絶対有効だ。

だから、俺を信じて協力してくれないか?」

相談する暇もないぐらい、付け焼刃な作戦にも関わらず、自信を漲らせる姿が腑に落ちない。

だが、その約束すると言う言葉を信じてみたくなった。

「いいですよ。私に囮になれということでしょう?協力しますよ。」

「ありがたい!!」

無防備な場所に移動した張悌を残して、沈瑩は城内に戻って行ってしまった。

先ほど信じると決めたのに、隣に居ないというだけで、不安になってしまう。

不安を覆い隠そうと、キッと前を見据えると、私に狙いを定めた騎馬隊が突撃オーラを纏って迫っていた。

一瞬、脚がすくむ。

必死に矢を射掛けるが効果は薄い・・怖い・・・だが、私を撤退させはしないと、約した彼をただ思い浮かべる。

間近に迫った騎馬隊に、突撃ダメージを覚悟した瞬間、戦場に待ち望んだ声が響いた。

「張悌!!待たせたな!!」

絶妙なタイミングで飛び出した沈瑩は見事、騎馬隊から迎撃を取っていた。

逃げようとする所に、弓矢と槍撃で畳み掛けながら、張悌は沈瑩の鮮やかな撃破姿に視線を奪われていた。

作戦だったと分かっていても、危機的状況で颯爽と現れた救いの手に、涙が出そうになってしまう。

まだ、戦闘中だぞ・・と己を戒める張悌の気も知らずに、沈瑩は満足げな笑みを浮かべている。

「ほら、有効だっただろう?」

「・・・・さすが、ですね。」

「俺と、お前でも”できる”ってことを、見せ付けてやろうぜ!!」

宣言と共に、駆け出した沈瑩に、遅れまいと張悌も新たな敵に射程を定める。

そして、勢いにのった二人によって、敵は次々と撃破されていったのだった。




戦を終えた城内で、張悌は沈瑩へと歩み寄った。

どうしても、腑に落ちなかったのだ、彼に似合わぬ突発的な作戦と、根拠のない自信が。

「沈瑩・・・今回の作戦、どのように思いついたのですか?」

「えっ!?・・・いや・・・・その・・・」

いきなり挙動不審になる沈瑩に、そんなに焦るような理由があるのかと余計不安になる。

「私に、言えない様なことなのですか?」

「違うんだ、俺が思いついたんじゃなくて、孫策様に教えていただいたんだ。」

「・・・そう・・・ですか・・」

根拠のない自信には、納得がいったような気がする。

だが、何故、教えていただいたことを言い辛そうにしてたのかが、新たに気になってしまった。

聞いてはいけないような・・・でも、聞いてみたいような。

「何故ですか?」

「えっ?・・・・あの・・・お前を守りたくて・・・それで・・その・・・」

「私を!?コス1の私を必死に守ってもいいことなどありませんよ。」

すごく・・嬉しかったのに、何故か素直になれなかった。

呆れられてしまっただろうかと沈瑩の顔を盗み見ると、何故か顔を真っ赤にしていた。

「戦闘の有利、不利なんて関係ない。お前が、好きだから・・・だから、守りたいんだ!!」

そう告げるなり、走り去ってしまった沈瑩の後姿を呆然と見送る張悌の顔は、沈瑩以上に真っ赤になっていた。









メインICではCOM戦オンリーな決死・正座のはずなのに、カード情報を久しぶりに見て、
迎撃数が意外と多い、決死に吃驚してしまいました。
この方法は、COM戦でまったり策瑜萌えをする時の常套手段だったのですが、
無意識に、決死正座にも用いていたみたいですv
っで、きっと、張悌のことが好きだから守りたい!!って思っていた沈瑩に孫策が伝授したにちがいないっていう妄想ですv














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