周瑜が蔡ヨウを嫌い、自城に戻った隙を突いて、

R董卓を中心に、西涼騎馬達が横一線に並んだ。

やばい!!と孫策の心中に焦りが広がる。

人馬号令は、槍を消す上に、移動速度が上がるのが厄介だ・・・

迎撃の取れない速度アップほど凶悪なものはない。

くっそ〜こいつら相手じゃ・・俺の槍で公瑾を守れないじゃないか!!


「己の欲するままに行け!!」



魔王董卓の号令で更に上がった機動力を生かして、2騎が両端攻城を狙いに来る。

地団駄を踏む孫策にため息をつきつつも、周泰と堅パパがそれぞれ防戦に向かった。

防戦に向かった2人に続き出陣した周瑜に孫策は我が目を疑った。

ちょっ待てよ!!なんで、そんなとこに出るんだよ。もう、柵はないんだぞ!!

周瑜は城門前に出ていた。

遮る物のなにもない戦場にその身を晒している。

攻城を阻止する、周泰とパパに突撃を入れようとしていた騎馬達が急に方向を変えた。

董卓の命令通り、西涼の騎馬達は欲するままに、周瑜に群がる。

周瑜の前に槍を出そうと孫策が慌てて城を出るが、槍兵の機動力では・・・。

あんな奴らに、公瑾を好きにはさせねぇ!!絶対に俺が公瑾を守るんだ!!

必死な孫策の思いが通じたのか、迫る騎馬達が、真直ぐに周瑜に突撃を入れず、一度3騎で纏まった。

なんとか、戦場に出る事が出来た孫策の槍が、一騎めのオーラを相殺した瞬間。


「焼き払え」



槍の消えた断金に意気揚々と突っ込んで来た、華雄と馬騰は焼き払われ、

ミリ残った董卓も乱戦状態だったため、即落ちしていった。

あっ、そっか・・纏まったら赤壁で焼けたんだよな・・・

また、無茶しやがってと思ったが、計算の上でのことだったのか?

必死になっていただけに、一気に有利に傾いた戦況に拍子抜けしてしまう。

ほっとする孫策に周瑜が発破をかける。

「気を抜いてる場合ではない、攻めるぞ!」

残った、攻城中の蔡ヨウと閻行は周泰と堅パパに任せ、

孫策は周瑜と共に仲良く攻城へ向かった。





無事に勝利を収め、自城に戻ろうとした孫策は、いや、待てよ・・やっぱ無茶だったんじゃないかと思い至った。

「ちょっと、待てよ公瑾」

城内に戻ろうとする周瑜の腕を掴み、引き寄せると、

なんだ?と訝しげな表情を浮かべる周瑜の背を城壁に押し付ける。

顔の横に両手を付き、退路を塞いだ孫策は周瑜に噛み付いた。

「やっぱ、お前無茶しやがったな!

騎馬が纏め突撃してきたから良かったけど、別々の方向から連突されたら、どうするつもりだったんだよ!!」

「だが、攻城を阻止していた、文台様と幼平に突撃を入れられたら困るじゃないか。私ならば、良い囮になるだろう?」

しれっと言う周瑜に孫策は怒りが込み上げてくる。

「何言ってんだ。お前が、撤退する方が困るだろうが!!」

「でも、伯符が助けに来てくれたじゃないか。」

余裕の笑みを浮かべる周瑜に、うぅぅ〜〜と孫策は不満げに唸る。

「だったら、出てく前に、俺に言えよ!!」

「言ったら、伯符は止めただろう?」

なんだよ!!敵にとって一番に落としてしまいたい相手であることを自覚した上で、

俺が絶対にお前に無茶をさせたくないと思ってるのも分かった上で、囮になる・・とか言うなよ!!

当たり前のように危険に身を晒すのを止められない己がもどかしい。

「勝つためには、必要なことなんだ。本当は伯符も分かっているのだろう。」

分かってはいる。分かっているけど、嫌なんだ。

更に、言い募ろうとしたが、

閉じ込めた腕の中から、孫策を見上げるように、じっと見つめて来る周瑜に、くらくらと理性が揺らぎ始める。

可愛い表情しやがって・・・まさか、これも計算の上か?有耶無耶にするつもりなのかよ!!

周瑜の腕が孫策へと伸びる。

なんか、術中に嵌っている気がしながらも、孫策は引き寄せられるまま、口付けを落とした。







最近、騎馬相手に周瑜様を盾にして、槍撃を生かす術を教わったのですが・・
きっと、そういう戦い方に孫策は不満を感じるに違いないvV
でも、そんな不満はあっさり周瑜様に丸め込まれてたりするといいなぁ〜v





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