「殿・・・・そろそろ、戻られたほうが宜しいかと・・・」

DSの呉伝のクリアーを祝して、固定枠のメンバーを労う酒宴の最中に、

ふらりと抜け出した孫堅を探しに来たのは韓当だった。

「ああ、だが俺はDSでは、出番なしの身だからな・・・・・」

「だからこそ、出陣したメンバーを労うのだと、言い出したのは殿でしょう?」

主催者が席を外してはと嗜める韓当に、孫堅はフッと笑みを浮かべた。

「では、まずここで、お前を特別に労ってやろうか?」

唇が触れ合いそうな近さで囁かれ、ドキリと胸が高鳴った。

すっと、流された視線が魅惑的な色で誘いをかける。

「来いよ・・・・・」

重なる誘惑に、流石の韓当の理性にもガタが来そうだ。

「殿・・・・」

韓当が頬に触れると、孫堅の瞼がゆっくりと閉じられる。

だが、唇が重なり合う寸前で、風に乗って聞こえてきた酒宴のざわめきに、韓当の動きが止まった。

いつ誰が通るとも知れぬ場所で、私は何をしようとしていたのか。

躊躇う韓当の気配に、ため息と共に、孫堅の瞼が持ち上がった。

「はぁ〜。お前の持論と大分違うではないか。」

「私のですか??」

「ああ、欲しいのならば、まずはヤッってから、丸め込めばいいんだろ。」

「そっ、そのようなこと、言った覚えはございません!!」

焦る韓当の首に、孫堅が腕を廻し、グイッと顔が近づく。

間近に感じた吐息の熱さに、ざわざわと胸の奥が疼いた。

「・・・・揚州攻略戦・・・・」

耳元に落とされた囁きに、やっと合点はいったが・・・何故、殿がご存知なのだ!?

視線を彷徨わせる韓当に、孫堅の浮かべた笑みが深まる。

「ふっ。思い出したか?策に助言をしただろう?

太史慈が欲しいのならば、討ち取った後に、口説き落とせばいいとな。」

「それと、これとはっ」

「違わないだろう?欲しいのならば・・・・まずは行動を起こせばいい。」

俺が欲しくはないのか?と誘う紫色の瞳に吸い込まれてしまいそうだ。

ここが外で、酔いを覚ましに、誰がいつ出て来るかわからない場所だということなど、

もうかまっていられない。

「殿・・殿っ・・・」

啄ばむような口付けを、夢中で何度も繰り返す。

「・・んっ・・・韓当・・・・」

応える甘い吐息すら、己の物にしたくて、誘われるまま深く唇を合わせた。

溢れだす欲望のままに、己の腕に愛しい存在を閉じ込める。

ああ、どんな酒よりも強力で・・・美味だ。

孫堅の特別な労いに酔う韓当は、孫堅を探しに来た程普に見つかるまで止まる事なく、その幸福を味わい続けていた。




「殿!!宴をほったらかしで、何をしておられるのですか!?」

「げっ、程普・・・。今、戻ろうと思っていたところだ。大目にみろよ。」

するりと韓当の腕から抜け出した孫堅が、目配せと共に囁く。

「後は任せた。ちゃんと丸め込んどけよ。」

うっ・・・嘘でしょう・・・・・

ヒラヒラと手を振り、宴へと戻る孫堅を呆然と見送る。

そっと、程普を窺がうとギロリと睨まれた。

「お主は・・・殿を探しにいったのではなかったのかっ!!」

「す、すまん。」

丸め込むなんて無理だと、早々に白旗を上げた韓当は、

程普の小言にひたすら謝り倒していたという。





あれれ??韓当にいい思いをさせてあげようって思ったはずなのに。
結局、程普が出張ってきてしまいました。
最近だめだ。
太史慈のキャラ把握をと、DSの揚州攻略戦をやってみても、私の脳内は孫策と太史慈の絡みではなく、
韓当の爆弾発言からパパ受けネタへと走ってしまうのvV
DSでは、Rパパの出番ないのにね(笑)
しかも、本来の目的が全然達せられずじまいだったり・・・・。












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