SR孫策、馬瑜、孫堅、周泰は呂布伝一章”虎狼関の戦い”に出陣していた。

対するは、R袁紹、SR曹操、R劉備、UC関羽、UC張飛だ。

敵陣に槍を3部隊確認した、堅パパはポンっと周泰の肩を叩いた。

「この戦、お前が頼りだ。我らは迎撃を取られたら、終わりだからな。頼んだぞ。」

「はい!!おまかせください!!」

大殿に、頼りにされている・・・その事実が嬉しくて、やる気倍増だ。

気合を入れ直していた周泰は、不意に袖を引かれ、振り返った。

誰かと思えば周瑜だ。

下からじっと見つめらると、ふわふわの髪から覗く、黒目がちな瞳に吸い込まれてしまいそうだ。

「この戦は、あなたに撤退されると困りますから、漢の意地は使わないでください。」

ニッコリと微笑まれ、思わずコクコクと頷いていた。

それでは、お願いしますねと配置に戻る周瑜の後ろ姿を見送りながら、顔が綻ぶのを抑えられない。

メインデッキで出陣する時は、撤退覚悟での働きばかり期待されているのだ。

それに、不満を感じている訳ではないが、”撤退しないで”とお願いされることが、こんなに嬉しいとは。

初めての感覚に、心がふわふわと浮遊するのを感じていた。



そして、幸せを噛み締めていた周泰とともに、戦場への扉が開いた。




「おい。幼平!!さっさと、関羽の槍を消して来い!!」

オーラを纏い、突撃準備万端の孫策から檄が飛んだ。

早速、私の出番だと、周泰は勇んで、関羽と乱戦に持ち込む。

槍が消えた途端、孫策、周瑜、堅パパの突撃が入り、あっという間に関羽は撤退していった。

役に立ててよかったと、ほっと息をついた周泰に今度は周瑜が声を掛ける。

「次は、張飛をお願いします。」

周瑜殿の頼みならば喜んで!!っとまたもや必死に乱戦に持ち込んだ。

槍が消えた瞬間、袁紹に突撃されてしまい、兵力をすり減らしながらも、張飛が撤退するまで、何とか持ちこたえる。

しかし、武力8の槍兵との立て続けの乱戦で、ボロボロの周泰にまたもや容赦のない命が飛んだ。

「遅いぞ!!なにをしている、今度は劉備の槍を消してくれ!!」

えっ??この兵力でですか?

兵種の違いとはいえ、兵力3割の己と兵力ほぼ満タンの3騎の差に少し理不尽さを感じてしまう。

大殿か、孫策様がオーラを消して乱戦されれば良いのでは??と・・・

しかし、背後でオーラを纏い、己に期待を込めた眼差しを向けてくる3騎に、否と言えるはずもなく。

泣きそうになりながらも、お役に立てるならば本望!!っと再び乱戦を仕掛けに行った。


敵の槍部隊が殲滅され、兵力回復のために自城に戻ろうとした周泰にまたもや声がかかった。

「よくやった!今度は騎馬を牽制してオーラを消してくれ。あっ、でも乱戦はするなよ。」

まだまだぁ〜。こんな状態の私でもお役に立てるならば!!っと前に出る。

乱戦するなということは、一応孫策様も、私が撤退しないようにと、考えてくれているのだろうか。

なんだか、ちょっと嬉しい。

彼らに必要とされる限り、私は身を粉にして働きます!!

周泰の槍を嫌って、袁紹がオーラを消した直後、

ジャーン、ジャーン、ジャーン。

周瑜が伏兵の曹操を踏んでしまった。

オーラの消えた袁紹に突撃寸前であった、孫策と堅パパが見るも鮮やかな方向転換で、曹操へと向かっていく。

一人取り残された周泰は、必死に槍撃で袁紹を牽制するが・・・

肉迫する袁紹との乱戦は時間の問題だ。

この兵力では、曹操を撃破した3騎が戻って来るまで、耐えられない。

どうする?どうしよう!!どうすればいいんだ〜

・・・・・撤退されると困りますから・・・・

その時、周泰の脳裏に浮かんだのは、開戦前の周瑜の言葉だ。

そうだ、ここで撤退する訳にはいかない。

乱戦と牽制役として、必要とされている限り戦場に留まらねば。

周泰は勇気を振り絞って、右手を青ボタンに伸ばす。

〜〜〜〜兵法マスター 増援の法〜〜〜〜


緑色の気に包み込まれ、回復した兵力で、いざ袁紹との乱戦に望もうとしていた周泰に、

3本の冷たい視線が突き刺さった。

曹操を追い詰めていた、3騎が信じられないという表情で周泰を見ている。

「こらぁ〜!!貴重な兵法を軽々しく使用するな!!」

「もう槍兵はいないんだ、俺達だけでも困らねぇしな。

俺やお前は親父か公瑾の許可なく計略や兵法使っちゃ駄目なんだぜ。」

「・・・・・・・・・・・・」

す、すみません・・・・私が早計でした。

でも、無言で冷ややかな視線をくれる周瑜殿が一番恐ろしい。

「公瑾。お前も何とか言ってやれよ〜」

と孫策に促された周瑜はふわりと微笑みながら口を開いた。

「・・・意外と、意気地なしですね。己の身を惜しまぬ活躍を聞いてたのですが・・・・期待外れです。」

「へぇ〜んだ。幼平の、意気地なし〜!!」

〜〜意気地なし〜〜いくじなし・・・・・い・く・じ・な・し・・・・・

孫策と周瑜に言われた言葉が頭の中で響き渡る。

もう、心は撤退寸前だ。

周泰は攻城に向かう3騎の後ろ姿見つめながら、呆然と立ち尽くしていた。






周泰は戦闘が終わると、一人、トボトボと帰途に着いた。

私は、役立たずの意気地なしなんだ・・・と深く落ち込んでいる周泰の耳に己を呼ぶ声が聞こえた。

「お〜い。幼平!!」

聞き慣れた声音に、パッと顔を上げると、城門で手を振る孫策(雄飛)と周瑜(赤壁)を見つけた。

何故、お二人が城の外に??ま、まさか、私を迎えに出てくれたのか??

まるで、飼い主を発見した犬のように、一目散に、2人の元に駆け寄った。

「幼平。お帰り。」

駆け寄る勢いに、笑いを堪えながら、孫策と周瑜が周泰を出迎えた。

「た、ただ今帰りました!!」

ニカッっと笑みを浮かべ、挨拶をする周泰に孫策が手を伸ばす。

頭を覆う布をポイっと取り去られてしまった。

2人が顔を見合わせたかと思うと、今度は、両側から手が伸びてきて。

汗に濡れて張り付いていた髪が、孫策と周瑜の手によって、くっしゃくしゃにされていた。

「えっええ??わっわ??」

2人の手が途惑う周泰の髪を思う存分かき回す。

ぼさぼさになった髪と、訳が分からず首を傾げる姿が、普段よりも、周泰を幼く見せていた。

「先の戦は、大変だったそうだな。怪我はないか?」

「はい。大丈夫です!!」

「そうか。よかった・・・文台様がこき使いすぎたかもと気にしていらしたから。」

「でも、進撃孫策と馬瑜にいじめられたらしいって聞いたぞ〜」

からかう様な調子で孫策が聞いてくる。

だが、あれは・・・いじめられたのではなく・・・・

「私が満足な働きができずに・・・彼らを失望させてしまったのです。」

しゅ〜ん。と落ち込む周泰を、孫策が爽快に笑いとばした。

「はっはは〜。そんなの、気にすんなよ!!俺らと出陣する時は、十二分な働きしてんだからさ。」

同意を示すように、笑みを浮かべている周瑜と、孫策のやわらかい雰囲気に、

ああ、わざわざ私を慰めに来てくださったのか?と、暖かな気持ちで満たされる。

次の戦・・・いや、どの戦においても、この方達のために、身命をとして働こう!!

と決意を新たにした周泰であった。















「意気地なし!!」って言われて凹む周泰を見てみたいって欲望と、
周泰の髪をくしゃくしゃって撫でてみたいって欲望を無造作に詰め込んでみちゃいました。
さすがに周瑜(赤壁)に「意気地なし!!」って言われたら、立ち直れなさそうだったので、
馬瑜にご出陣願いました(笑)
別に、進撃孫策や馬瑜が冷たいわけではありませんよ。一応。
策瑜にとっては、周泰は自分の家のワンコですが、
進撃と馬瑜にとっては、人の家のワンコなだけです。

先に帰りついていたパパは自分も一緒にこき使った手前、フォローしにくかったので、策瑜にこっそり耳打ちしたと思われますv







inserted by FC2 system