「すまぬ。また、俺の計略の効果時間が・・・・・・」

孫堅はかなり凹んでいた。

俺の天啓の幻を中心に戦っている3老将達と出陣する戦では、この下方修正が大打撃となる。

俺を慕って付いて来てくれる者達に充分に力を発揮する機会を与えてやれないことが悔しい。

不甲斐無さに唇を噛む孫堅に程普が手を伸ばした。

唇を傷つけてしまいますぞとそっと撫でる指先に促されて俯いていた顔を上げた。

己を囲む3老将達の顔には責める色はない。

嫌味の一つや二つ受け止める覚悟はあるのに、彼等はいつだって俺を甘やかすんだ。


「殿の計略は武力の上がりが重要なのです。お気になさいますな。」

「義公の言う通りですな。多少の効果時間の短縮など、この公覆が気合で押し切ってみせますぞ!!」

「殿はただ、蹴散らせと命じてくださればよい。我等の愛はこれしきの事では揺らぎませぬ。」

慰めを口にする老将達に囲まれ、

甘えては駄目だと思っても、落ち込んでいるときに優しい言葉を掛けられると縋りたくなってしまう。

もちろん、お前達の思いを疑ってなどいない。

例え俺の計略が、意地の勅命並に使えない刹那の天啓になったとしても、変わらずに付いて来てくれるのだろう?

それは嬉しいのだが・・・・・以前8カウントだった記憶が邪魔して、これでもいいのだと開き直れない。

7カウントになった時ですら・・・・使えなくなったと言われたのに、更なる弱体化なのだからな。

知力に依存すると思っていた計略効果時間が、単体強化とはいえ、知力4の息子に負けているのも情けない。


「お前達の気持ちは嬉しいが、戦器もなく、6Cな俺の計略など・・・・もう・・・」

老将達の慰めに縋るように、更なる弱音を吐いてしまった。

本来なら、不安を与えぬように、強気にそれでも俺について来い!!と言うべきなのだろう。

分かっていても、程普、黄蓋、韓当を前にするとつい気が緩んでしまう。

「殿・・・・」

心配を声に滲ませた程普の肩へとポフッと額を預けた。

「すまん。今だけだ。明日からは、弱体化なぞに負けずに使いこなして見せるぞ。」

躊躇いがちに伸ばされた程普の手が、そっと身体を包み込んだ。

そのぬくもりに、癒される。

「計略は使えると評価されているか否かが問題ではなく、己が戦で効果的に使えるか否かが問題なのです。」

「きっと殿ならば、6カウントの天啓でも直ぐに使いこなせてしまいますぞ。」

「なにがあっても、我等が殿をお支え致します故、心配はいりませぬ。」

俺を信じてくれる者達の言葉が暖かくて、沈んでいた心が浮上する。

無いもの強請りをしても仕方が無い。

俺の、そして共に出陣する武将達の持てる力を、最大限に生かした戦い方が出来るように努力すればよいのだ。

彼等のおかげで、やっと現状を受け入れる覚悟が出来たな。

俺を慕い、支えてくれる存在のありがたさを痛感した。

吹っ切るように顔を上げ、己を見守る3老将を順に見つめる。

「お前達が居てくれてよかった。」

フッと笑みを浮かべた孫堅に、心配に彩られていた老将達の顔も自然と綻んでいた。










戦の最中や息子達の前では、ご自身の魅力全開で強気に皆を導いていくパパも、
実は、次第に弱体化が進んでいくご自身の計略に、凹んでいたりすると思う。
他の者達の前では、決して晒せない弱音は、3老将達に優しく受け止めてもらうといいよv
そして、3老将達は、弱気な本音まで見せてくれるパパの信頼に天にも昇る心地なんだ。きっとv
こうして海より深い老将達のパパへの愛は更に深まっていくのだろう。

ふふふ〜でも、3老将の中で、若干!?いや大分!?程普が贔屓されてますね。
理由は、単に私が好きなだけv
復活ボイスの「お守りしますぞ。」と、逞しい体格が好きv逞しさなら黄蓋も好きだけど、
復活ボイスで、程普はパパを守るために復活したんだなって毎回萌えさせてくれるから程普に軍配が上がるのです。

















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