堅パパは廊下で周瑜とすれ違った。

最近無理をしているらしいと噂に聞いたが・・・確かに顔色が悪いようだ。

「公瑾。ちゃんと休んでいるか?身体が資本だぞ。」

心配そうに覗き込む堅パパに周瑜は笑みを返す、

「ありがとうございます。でも、大丈夫ですから」

大丈夫だと?全然大丈夫には見えぬぞ。

嘘がバレバレな周瑜の返答に見過ごすわけにはいかないと誘いをかけた。

「そうか、ならば俺の晩酌に付き合ってくれるか?」

チャームでも発動しているのではないかと思うほどの、大人の色気を振りまきながら誘う堅パパ。

「いえ、私などでは・・・」

気後れする周瑜に駄目押しをするように言葉を重ねる。

「息子にばかりではなく、たまには俺にも付き合ってくれるだろう。」

こくり、と頷く周瑜にいや〜可愛い子だな〜我が息子ながら、やるな策よ。

ルンルンと可愛い嫁にかまう舅気分で周瑜を自室に誘った。



部屋に着いた堅パパは、酒を用意すると、どう振舞えばよいのか途惑う周瑜の腕を引く。

いきなり、ぽふっと寝台に周瑜の身体を埋めると、上掛けの上から、ポンポンと幼子を寝かしつけるような調子で手を動かした。

慌てて起き上がろうとする周瑜を視線で押しとどめる。

「疲れているのだろう?無理せず寝ていろ」

「えっ?お酒に付き合うことを・・望まれていたのでは?」

尋ねる周瑜にふっと笑みを零す。

「お前の寝顔を肴に酒を飲もうと思ってなぁ〜」

冗談めかして言う堅パパに、もう〜やはり親子だなぁと思う。

あやすようにリズムを刻む堅パパの手は安心感に満ちている。

次第に周瑜の瞼が閉じていき、穏やかな寝息が聞こえ始めた。




平和な雰囲気を醸し出す室内とは、打って変わって堅パパの部屋の外では、禍々しい空気が・・・

完全に閉まっていなかった、堅パパの部屋を朱治が覗いていた。

ギリギリギリギリギリギリ〜〜!!

袖をものっすごい勢いで噛み締めている。

「あんのガキ〜!!若だけでは飽き足らずに文台様にまで色目を使いやがって!!

なに、甘やかされんの??羨ましすぎ〜ってか有り得ない!!む・か・つ・く〜!!」

嫉妬をどす黒く渦巻かせる朱治を運悪く目撃してしまったのは・・・またもや周泰だ。



げっ!今度は覗きか?それにしては空気が黒すぎる気が・・・

こっそり、堅パパの部屋を覗いてみてしまった周泰は背筋を駆け上る恐怖を感じた。

何、してんですか?大殿〜!伯符殿が見たら・・・きっと私が当り散らされます。

傷一つじゃすまないかも・・・・。

周泰が見たのは、周瑜を寝かしつけつつ杯を傾ける堅パパだ。

まずい、大殿の寝台に公瑾殿がってのが、絶対にまずい気がする〜!!

さっさと、退散しようとした周泰の耳に、メキリっという音が飛び込んできた。

思わず足を止めてしまう。

振り向いた先では、朱治が握り締めた柱が悲鳴を上げていた。

なに?もしかして・・麻袋トレーニングの成果か?握力がかなりアップして・・・

驚きに固まる周泰の目の前で、朱治の表情がさらに変化していく。

「ふっふぅ〜でも、所詮アイツは若の物だろ、恐るるに足りぬわ!!

文台様の寝台vVああ、きっと文台様の香りに包まれ・・・ぐはぁああ〜私が顔を、身体を埋めたい!!

いや、むしろ文台様とともに埋まりたいvてっか文台様を埋めたい〜〜ぐふぅふふふ」

またもや、いらぬことをしっかり聞いてしまった周泰は、涙目になりながら、

忘れろ!全て忘れてしまうんだ!!と必死に自己暗示をかけているのだった。






キモ朱治シリーズ第三弾vV
いったい、どこまで続くのやら・・がんばれ、幼平!!






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