文台様が、あの麗しい文台様が、戦闘中に危機に陥られたらしい。
一緒に出陣した奴らは何をやっていたんだ??
文台様と出陣する栄誉に恵まれたくせに!
何があってもその身を盾にして、まずは文台様を守れよ!
あの、整ったお顔に傷でも残ってしまったら・・・
あいつら三人を絶対に許さないんだから。
しかも、あのガキのミスのせいだって!?
なにそれ、有り得ない。
文台様に甘やかされて調子に乗ってるからそんなミスをするんじゃないのか?
前から、アイツのことは気に入らなかったんだ、
一度、ガツンと言ってやる〜
配置ミスで周瑜が自城スタートをしてしまったせいで(小ネタの「伏兵」参照)
伏兵を掘りに出た堅パパが危険な目にあったらしいと聞いた朱治は
日頃からの嫉妬も相俟って、ミスをした周瑜に怒りを募らせる。
そんなとき、廊下の反対側から歩いてくる周瑜が目に入った。
悪意を込めた視線で周瑜を睨みつけながら、声を掛ける。
「これは、公瑾殿。聞きましたよ。先の戦闘でのご活躍。」
何のことでしょう?と首をかしげる周瑜を一瞥し、嫌味を吐く。
「文台様の負担も考えず、自城スタートを選択されて、相手を霍乱する作戦だったのでしょう。
さすが、知力が9もある方の考えることは、我々凡人とは違いますね。
しかも、文台様を危機に追いやっておいて、そのように平気な顔とは・・恐れ入ります。」
「いえ、そのようなつもりでは・・・」
あからさまな朱治の嫌味に周瑜は苦笑浮かべて答えるが、
「では、どのようなつもりで伏兵という特技を反故にされたのか?
後学のためにも、お聞かせ願いたいですね。」
と、朱治は更に嫌味で返す。
「いえ、私のミスで・・・文台様には、申し訳が・・・」
「ふ〜ん。文台様はお優しいですから。許して下さるのでしょうが、そのお優しさに甘えているから
そのような初歩的なミスをするんですよ。文台様と出陣するのに、そんなことでは困りますね。」
朱治に言われるまでもなく、先の戦闘のミスを悔やんでいた周瑜は、
それ以上言葉を返すことが出来ず、思わず俯いてしまう。
俯いてしまった周瑜に、ふふん、ざま〜みろとほくそえんでいた朱治は、向こう側からやってきた人物に一瞬顔を強張らせた。
周瑜が、くしゃくしゃっと髪を撫でられる感覚に顔を上げると、背後に堅パパが立っていた。
「何をもめているんだ?」
周瑜の頭に手を置いたまま、尋ねてくる堅パパに、キィー!また、甘やかされてる〜!!と嫉妬しつつも
「いえ、なんでもないです。」
と、にっこりと極上の笑顔で答える。
「まあいい。公瑾、次の戦闘の打ち合わせがしたかったんだ、ちょっと付き合え。」
堅パパは周瑜の肩にさり気なく腕を回す。
「あまり、若い者をいじめるんじゃないぞ。」
と、朱治に釘を刺すと、周瑜と連れ立った歩き去ってしまった。
取り残された朱治は、ポ〜っと堅パパの後姿を見つめている。
ああ、その全てを見透かされているような微笑み。思い出すだけで血液が逆流しそうなほど魅力的だ。
私に向けられた表情だと思うと、全てが愛しく感じてしまう。
でも、私も文台様に髪を触れられてみたいなぁ〜
私の腕の中で、翻弄され、感極まった文台様が、、髪に差し入れた手でしがみつくように縋り付いて・・・・・・
ぐぁはぁああああ!例え翌日、髪が全て抜け落ちても本望だ。
それにつけても、あのガキ!!また、文台様に甘やかされて〜
ちょっと、綺麗な顔してるからって、若にも、文台様にも可愛がられて・・・
ムカツクんだよ!!
文台さまぁ〜あんなガキにかまってないで、早く私の魅力に、この熱い気持ちに気付いてくださいよぉ〜
今回は、周泰が出ていないから?
朱治のキモさが少々押さえ気味な気がします。