孫堅 「息子達よ、今日は何の日か知っているか?」
孫策 「知らねぇけど・・・また、異国のお祭りかなんかかよ。」
孫権 「確か、エイプリルフールですよね。父上。」
堅 「その通りだ。権は物知りだな。策には去年教えてやったというのに忘れたのか?」
権 「兄上。人をからかうような、害のない嘘ならついてもいいという未来の風習ですよ。」
策 「ああっ、思い出したぜ!!親父にそそのかされて、公瑾に返り討ちにあった気がする。」
堅 「まぁまぁ、過去のことは水に流してだな。今年は、3人で勝負をしないか?」
権 「面白そうですね。」
策 「で?何を競うんだよ。」
堅 「だれが一番上手く嘘をつけるかの勝負だ。」
策 「方法は?」
堅 「同じ嘘をそれぞれの相手に話して、騙せた者が勝ちとしよう。」
権 「2人以上が成功したらどうします?」
堅 「そこは、より知力の高い相手を騙せた方が勝ちだな。」
策 「じゃあ、俺の勝ちは決まったも同然だぜ!!公瑾は知力10だし。」
堅 「まぁ・・成功すればな。」
策 「なんだよ!!俺には、意外と甘いとこあるし、騙されてくれるかもしれねぇだろっ。」
権 「兄上、知力5以下にした方が無難ですよ?あっ、でも周泰は譲りませんからね。」
堅 「ならば、俺は程普にするかな。」
権 「いいんですか?黄蓋や祖茂や韓当の方が、難易度低いですよ。」
堅 「それでは、権に負けてしまうからな。」
権 「では、父上が成功すれば父上の勝ち、失敗すれば僕の勝ちですね。」
策 「ちょっと待て。俺が成功すれば、俺の勝ちだろ!!」
堅 「そうだな。まぁ、頑張ってみろ。」
権 「ところで、どんな嘘にしますか?」
策 「う〜ん。”ごめん。浮気した”とかは?」
権 「それじゃあ、父上が嘘になりませんね。」
堅 「俺は、浮気などしたことないぞ。全員に対して本気だ。」
権 「はいはい。じゃあ、”お前にとある疑いがかかってるから、潔白を証明するために僕の前で全部脱いで”ってのは?」
策 「とある疑いってなんだよ?そんなの、信じるの周泰ぐらいだろ!!却下だ。却下。」
権 「絶対可愛い反応してくれると思うのに〜。父上のお考えは?」
堅 「不治の病にかかって、医師に余命一月と宣告されたというのはどうだ?」
策 「それって”からかう程度の罪のない嘘”か?あんまり重い嘘は、まずくねぇ?」
権 「いいえ。それにしましょう父上。色々面白そうだし。」
堅 「告げる相手は一人だけだ。他言無用だと言えば不用意に広まることもない。それに・・・・」
策 「なんだよ?」
堅 「そう告げたときの反応を、ちょっと見てみたい。」
権 「僕もですv」
策 「俺は、あんまり見たくねぇな。」
堅 「ほぅ。勝てそうにないから逃げるのか?」
権 「まぁ、元々兄上が公瑾兄ぃを騙せるはずありませんけど。また、返り討ちに合うのが関の山ですね。」
策 「2人して馬鹿にしやがって。そこまで言われちゃ、黙ってらんねぇ。絶対に俺が勝ってやる!!」
堅 「ならば、決まりだな。各々の健闘を祈るぞ。」
権 「ふふっ、負けませんからね。」
こうして孫堅・孫策・孫権による、勝負の幕が開いた。
「さて、どのように程普に話を持ちかけようか。」(孫堅編へ)
「う〜ん。上手く騙せたら、嘘だってばらした時の反応はちょっと見てみたいかもな〜」(孫策編へ)
「この嘘を口実に周泰に色々と・・・・ふふっ、楽しみだ。」(孫権編へ)