DS天 第3章群雄割拠 孫策編のイベント「断金の交わり」からの妄想です。






周瑜は孫策の決起の報を聞くと、直に準備を始めた。

一刻も早く、単身でも駆けつけてしまいたいと逸る気持ちを抑え、

兵、馬、食糧・・・・必要なものを整えてから出立した。

あと、半時ほどで孫策の陣にたどりつく。

やっと、孫策の下に馳せ参じることが叶う。

心待ちにしていた瞬間が手の届くところまで来ている。

孫策も私が来ることを待ち望んでいる。


疑いもなく、そう思う。

私たちの絆は離れていた月日に、影響されはしない。

でも、今はたった半時分の距離が待ち遠しくてたまらない。

率いてきた兵を置いて、駆け出しそうになる心を抑え、進軍していると、

ふと、前方にに土煙りを見た気がした。

目を凝らすと、単騎で駆けてくる人物が見えた。

まさか・・・・と、心が躍る。

次第に、大きくなる見知った姿、荒っぽい手綱さばきは孫策に違いない。

大将が単騎で来るなんて、不用心だとか、

相変わらず、こらえ性がないなだとか、

窘める言葉が頭に浮かんだが、孫策の姿を間近に認めた瞬間、吹き飛んでしまった。

「公瑾!!」

満面に笑みを浮かべて孫策が周瑜を呼ぶ。

「伯符、待たせたな。」

自然にすべり出た言葉は、なんとも周瑜らしいもので、

それを聞いた、孫策が笑みを深めた。

「おせぇじゃねぇ〜か。」

「すまん、色々と物資を調達していた。兵・馬・食糧、これから必要になるものを全て揃えてきた。」

「さすがだな!!お前と再会できたことで、もう全てがなったような気がするぜ!!」

「誉めすぎだ。まだ、私たちの戦いは始まったばかりだろう。」

「そんなことはねぇ。兵も馬も食糧も俺は必要としていたが・・・・」

孫策が一瞬言葉を切った後、馬体を寄せ、周瑜の耳元で囁いた。

「何より俺に必要だったのは、お前なんだぜ。だから・・・・」

「ああ、だから必要なものは全て揃えてきた。私自身も含めて・・・・」

「全部・・・俺のために?」

「もちろん。伯符と私自身のために。」

周瑜が孫策を見上げると、孫策も周瑜を見ていて視線が絡み合う。

その時、ひと際強い風が吹き抜けた。

風にはためいた、孫策の外套が兵士たちと2人の間に青い壁を作る。

周瑜は、人目を盗むように、一瞬の接吻を孫策と交わした。

周瑜の大胆な行為に、孫策が驚き、目を見張る。

「お前・・・・もしかして浮かれてんのか?」

「さあ・・どうかな。」

「俺と再会できて嬉しくてたまらないんだろ?」

「ふふっ・・・」

周瑜は、孫策の問いには答えずに、ただ楽しげに笑みを浮かべている。

「なんだよ、公瑾。今日ぐらいもっと素直になってもいいだろ?」

調子に乗って、問いを重ねる孫策をはぐらかしながら、喜びを噛みしめる。

遠く感じていた半時分の距離が、あっという間に感じた。









DSのイベントの会話は、
大戦2の呉伝の6章孫策立つの、孫策と周瑜の接触で発生した会話とほとんど同じな気がします。
一応、イベントは以下のような感じです。

孫策の決起に、援軍がかけつけた。
その軍を率いていたのは、固い絆で結ばれた友であった。
かつて父・孫堅の時代にともに天下への夢を誓い合った友、周瑜である。
周瑜「伯符、待たせたな。周瑜公瑾、馳せ参じたぞ!」
孫策「遅せえじゃねえか、公瑾!」
周瑜「すまん、色々と物資を調達していた。
   これからのことを考えてな。兵、馬、兵糧、全てを揃えてきた。」
孫策「ははは、全部ってか。さすがだな公瑾!
   お前と再会できた事で、もう全てが成ったような気がするぜ!」
周瑜「誉めすぎだ。私達の戦いは、始まったばかりだろう。」
孫策「ああ、目指すは天下だ。
   親父の夢、俺たちの手で叶えて見せる!」








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