孫策は軍師張昭から渡された対戦記録を見て良い事を思いついた。
最近、計略を使用する機会が増えているとの実感はあったが、予想以上だ。
以前は、周瑜の1/2以下しかなかった計略使用回数が、
周瑜と並ぶまであと50回を切っていた。
「なぁ〜公瑾。俺の計略回数がこのまま伸びて、お前と並んだら、
結婚しよう!!」
「伯符!?いきなり何を言い出すんだ?」
「そういう歌があるんだよv」
「でも、男同士で結婚など出来る訳がない。」
「だ・か・ら、お前が俺のために婚礼衣装を着てくれるだけでいいぜ。」
「はぁ〜なぜ、そんなことをしなければならないんだ?」
「もちろん、俺が見たいからvV」
「・・・・断る」
付き合いきれないと、立ち去ろうとする周瑜を慌てて引き止める。
「ちょっと、待てよ〜。いいじゃねぇかそれくらい。減るもんじゃねぇし。」
「私は、そんな姿をさらす、趣味はない。」
断固拒否する周瑜を背後から抱きしめると、甘えるように擦り寄った。
「皆にお披露目したいってんじゃねぇよ。
俺の前だけで、俺のためだけに着てくれるだけでいいから。なぁ〜いいだろ?こぉ〜きん。」
「はぁ〜。仕方がないな。」
「いいのかvV」
「ああ、伯符の”撃破数”が今後伸びて、私と並んだら、着てもいい。」
「よっしゃぁ〜!!ありがとう、公瑾vVって、ちょっと待て、なんで”撃破数”なんだ?」
「私が着ると言ってるのに、何か不満でも?」
ブンブンと頭を左右に振ることで否定すると、周瑜がとても綺麗に笑った。
嫌な予感はするが、折角取り付けた約束を反故にされたら困るから、それ以上踏み込むのはあきらめる。
「よし!!絶対近いうちに、並んでやるから待ってろよ!!」
「ああ、楽しみにしているよ。」
孫策は周瑜の姿が見えなくなると、急いで軍師張昭の記録を確認した。
えっと、撃破数・・・撃破数は・・・・
げっ、嘘だろう・・・まさかこんなに差があるとは・・・・
孫策は二位につけていたが、一位の周瑜とはまだ200回以上の差が開いていた。
近いうちに並ぶのは、どう考えても無理だ。
でも、いつか絶対並んでやるからな、待ってろよ公瑾!!
だが、ダメ計一発で数を稼ぐうえ、弓兵な周瑜に孫策が撃破数で並べる日はきっと遠いと思う。