戦闘終了後の城内で、周泰は凌操に声を掛けられた。
「俺が言うのもなんだが、日に日に傷が増えていなか?」
「はい・・・。最近撤退数が増えているんです。特に開幕で・・・」
「ああ、伏兵掘りか。」
「私は取り合えず撤退して、伯符様の兵力が減ったころに復活してくれば丁度良いそうです。」
蜀相手の場合、凌操が請け負うことが多かった伏兵掘りだが、
呉や魏に当たることが多い昨今は、端攻城への対応や、弓攫いの必要性から、
圧倒的に、周泰の役割になることが多くなっている。
撤退も厭わずに力を尽くすのが、自分の矜持ではあるけれど。
1コスの凌操よりも、撤退しても痛くないと思われているのが少々悔しい。
しょんぼりと肩を落とす周泰を、凌操が懸命に励ます。
「いや、計略効果時間が伸びたから、意地の使用回数が増えたのも撤退数が増えた一因だぞ!!」
「そうでしょうか?少々伸びたところで、雄飛の時に見劣りするのは変わりません。」
「・・・まぁ・・・その・・なんだなぁ〜〜」
励ましの言葉が見つからないのか、代わりに肩をポンポンと叩かれた。
しかし、肩に触れる凌操の腕も、自分に劣らず傷だらけ。
傷の一つ一つが凌操の人生を物語っているようだった。
憧れを込めた視線で凌操の傷を眺める。
周泰の視線に気づいた凌操が、フッと笑みを浮かべると一番目立つ傷をなぞった。
「これは、特攻戦法を強化戦法で凌いだ時のだな。」
誇らしげな凌操に、ふと自分自身の言葉を思い出した。
”この百ある傷の、ひとつひとつが俺の誇りよ!”と今の凌操と同じように傷の由来を語ったものだ。
この御仁とは、気が合うかもしれない。
そう感じ、凌操を見ると、ちょうど目が合った。
互いにフッと笑みが浮かぶ。
「「この傷は・・・・・・・」」
Ver.3.02になったときに書いたものです。
Myデッキでは、策瑜を輝かせるための黒子な2人ですが、きっと気が合うのではないかと思います。