孫策は、自城内で兵力回復を図りながら、勝つための糸口を探っていた。

今回の相手は、SR孫策が率いる呉デッキだ。

序盤の攻防では、周瑜がSR孫策との一騎討ちで撤退し、苦しい戦となった。

城は守ったが、転進再起を使用したから、後半戦は慎重に立ち回らなきゃならねぇ。

まずは、相手の奥義が何かが問題だ。

うっかり業炎や連環の範囲に突っ込んだら終わりだしな。

でも、引きこもっていても勝てるわけねぇし・・・俺の性にも合わねぇ。

どうしたもんかと、隣を見ると、周瑜も後半戦の立ち回りを考えているようだった。

考えを纏めるように、すっと、目が閉じられる。

しばらく見守っていると、フッと口元に笑みが浮かび、瞼がゆっくりと持ち上がった。

「なぁ、公瑾。敵の奥義は何だと思う?」

「再起興軍か、極滅業炎だろう。」

迷いが感じられない答えは、どちらでも勝つ手はあるということだろう。

早く、こいつの考えが聞きたくてワクワクした。

「やっぱ、極滅業炎って可能性も捨てきれねぇよな・・・・で、どうする?」

「まずは、私が半数以上焼き払うから、一気に攻め上がろう。業炎を警戒して散開しつつ戦線を上げて・・・・・

もし、再起と分かれば、伯符を中心に一度纏まればいい。その頃には、もう一度大火も放てるはずだ。」

「勝てるんだな?」

「ああ、一騎討ちさえ起きなければ勝てる。」

「確かにな。でも、今度はちゃんと俺がSR孫策を牽制してやるから安心して焼き払えよ。」

「駄目だ。」

「はぁ?何でだよ??」

「逃げ回られると照準が合わせにくい。突撃の瞬間を狙って、背後の弓隊ごと焼き払う。」

「危険すぎだろ?お前らしくもない。」

「序盤の借りを返したいんだ。知力5の騎馬隊を確殺するには、突撃される瞬間に焼くに限る。」

「・・・・・・・・・・」

「SR孫策に舐められたまま終わりたくない。」

殺る気満々で、瞳を輝かせる周瑜は怖いほど美しい。

でも、その視線の先にいるのが奴だと思うと・・ちょっと、妬けるけどな。

「しょうがねぇな。お前が焼きたい方向から突撃するしかないように、上手く誘ってやるよ。」

「伯符・・・・」

周瑜が何か続けて言おうとしていたが、敵城から土煙が見えた。

周泰・凌操に今後の指示を伝えるために周瑜が動く。

途切れたままになった言葉が気になるが、今は聞き直す時がない。

周瑜が手早く作戦を伝え、直ぐに全員の準備が整った。

さあ、これからが本番だ。

「皆、この戦、勝ちにいくぞ!!」

自軍の兵士達を鼓舞すると、焼く体勢を整えるべく、孫策・周瑜隊が先行して城を出る。

城を出る直前に周瑜と目が合った。

「必ずや、伯符に・・・我等に勝利を。」

そう誓った周瑜の、真剣な表情に息を飲んだ。

SR孫策を確殺すると宣言したときよりも、数倍美しく見えた。

その表情に魅了され、俺としたことが、一瞬城を出るのが遅れたぐらいだ。

そして、何より周瑜の視線が俺に向かっていることが嬉しかった。


お前が俺に引き寄せてくれる勝利を、絶対に掴み取ってみせるぜ!!






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