「おい、幼平!!」

(ひぃいいいっ〜、なっなんでっ??)

誰もいないと思っていた扉の外で、いきなり声を掛けられて、声にならない悲鳴を上げた。

恐る恐る横を向くと、孫策が立っていた。

「お前・・化け物見たみたいな面しやがって・・・それで、公瑾は?」

「今、お休みになったところです。」

孫策の問いに答えながらも、体が勝手に孫策の行方を阻むように動いた。

先ほどのような殺気は消えているが、何をするか少々不安で・・・・

例え相手が孫策でも、今は周瑜の安眠を妨げて欲しくなかった。

「あ〜〜さっきは悪かった。そんなに警戒すんなよ。」

「ですが・・・お疲れの様子でしたので。」

「分かってる。叩き起こして問い詰めたりしねぇから、安心しろ。」

探るように孫策を見るが、怒っている様子は見受けられない。

先ほどの荒れ方を見ているだけに、早々に落ち着きを取り戻しているとは意外だった。

しぶしぶ扉を開けて、孫策に進路を譲る。

すれ違いざまに孫策と目が合った。

「ありがとう。公瑾を寝かしつけてくれたんだろう?」

「いえ・・そんっ・・っつぁ・・・」

だが、孫策の指に強く顎を掴まれ、痛みに返答が途切れた。

「だがな・・・多少は手段を選ばねぇと、長生きできないぜ。」

孫策の親指が、すっと周泰の下唇をなぞった。

(ひぃいいい〜〜〜なっ、なんで、ばれているんだぁ〜〜)

と再び、声にならない悲鳴を上げる羽目になる。

固まったままの周泰を振り返ることなく、孫策は周瑜に歩み寄る。

ギシリと寝台に腰掛けると、優しく周瑜の髪に触れた。

「泣くなよ馬鹿。俺が苛めたみてぇじゃねぇか。」

周瑜の涙に気づいた孫策は、そう囁くと涙を拭うように周瑜の頬に唇を寄せる。

周泰は、見ていてはいけないような気がして、そっと扉を閉めた。

扉を背にし、ずるずるとその場に座り込む。

無数の針で刺されたように、胸が痛む。

この痛みは、周瑜に対する愛しさか?切なさか?それとも、孫策に対する恐怖か?嫉妬か?

色々な感情がぐしゃっぐしゃに混ざり合って周泰を襲う。

「ああ、一番泣きたいのは、私かもしれない。」

周泰の呟きが、しんと静まり返った空間に虚しく響いた。









これで完結です。


いやぁ〜Ver.UPして再び周泰への愛が再燃です。
カウントが伸びたから、敵城前でも使える子になったなぁ〜ってvV

誰も聞いていなかったはずの、呟きをこっそり聞いていた誰かが、
ふふふ〜〜僕が慰めてあげるよv愛しい周泰vVってなるのは・・・また、別のお話ということで(笑)




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