周瑜は孫策を探しに鍛錬場を訪れた。

グルリと円形に人だかりが出来ている。

なんだ?といぶかしみながらも人の輪に近づいていくと、円の中心で孫策が太史慈(R)と対峙しているのが見えた。

輪に近づいた周瑜に孫堅が声を掛ける。

「一騎打ちの模擬戦だ。これは見ものだぞ!お前も見ていくだろう?」

と、周瑜の背に腕を回すと人だかりの前線へと押し込んでしまう。

確かに、互いに勇猛持ちなのだ、武力で勝る子義か、戦器で効果UPの伯符か・・・

いい勝負になりそうだな。

模擬戦とはいえ真剣な眼差しの2人を見守っていると、不意に孫策がぐるりと人の輪を見渡す。

周瑜は一瞬、孫策と視線が重なったような気がした。



太史慈と対峙していた、孫策はふと次第に増える人の輪を見渡した。

こちらを見つめる周瑜が視界を過ぎる。

公瑾の前で無様な姿は見せられね〜ぜと気合が入る。

「血沸き、肉踊るぜ!!」

やる気を漲らせまくる孫策が太史慈へと突っ込んで行く。

対して、迎え撃つ太史慈は冷静だ。

2人の剣戟が激しく交わる。

ガッキーン×5



「ええぃ、口ほどにもないぜ!!」

孫策の剣が弾け飛び、中を舞った。

勝ちを収めた太史慈に、賞賛の声が飛ぶ中。

おじ様達は、孫策へと野次を飛ばす。

「公瑾が見てるからといって、力みすぎだぞ、馬鹿息子め!」

「はっ、はっ、は〜若もまだまだですな〜」

「冷静さを欠いてはだめですね。」

面白がるおじ様達に、うるせぇ〜!と返し、孫策は周瑜へと近づく。

「お前が見てると駄目なのかなぁ〜」

バツが悪そうに頭を掻きながら言った孫策の言葉を聴いた瞬間、

周瑜は何故か頭にきた。

何だその言い草は!!

近寄る孫策に背を向けるとさっさと場を離れようと歩き出す。

文台様の、私が見ているからとの指摘を聞いたときは、

私にいいところを見せたいと思ってくれたのだと好意的に受け止められたのに。

何故だろう。伯符自身の口から聞くと、無償に腹が立つ!!

ずんずん、歩いていく周瑜を孫策が慌てて追いかける。

「待てよ、公瑾!!なに、怒ってんだよ?」

引き止めるように孫策が掴んだ手を振り払う。

「別に・・・・怒ってはないが?」

不機嫌さを滲ませる周瑜の声音にやっぱ、怒ってんじゃないかと思う。

再び歩き出そうとする周瑜の腕を掴み直し、強引にこちらを向かせた。

「何が気に入らないんだ?逃げずにちゃんと言ってみろよ。」

そう言われても・・・伯符の言葉に不快に感じた理由が分からない。

分からないが・・・嫌だと思ってしまったのだ。

「私がいないほうが良いのだろう。さっさと退散するから、もう一戦挑んだらいい。」

あっ、と周瑜は自分自身の言葉で気付かされる。

そうか、私が伯符の邪魔になったような気がしたんだ。

勝利の女神?になりたいとまでは言わないが、私が側に居ることで伯符が駄目になるなんて耐えられない。

ましてや、伯符に居ない方がいいと言われたら・・・

理由に思い当たると、曲解も甚だしい自分の思考に笑ってしまう。

私も随分と伯符馬鹿になったものだ。

ムスッとこちらを見つめている孫策に思わず笑みを零す。

「そういう意味で言ったんじゃねぇよ。拗ねるなよ〜」

綻んだ周瑜の表情に安堵した孫策も、不機嫌になった理由に思い当たり、可愛い奴めと愛しさが溢れ出す。

溢れだす愛しさのままに、チュっと周瑜に触れるだけの口付けを落とした。

「っちょ、伯符!何を・・・」

周囲を気にして慌てる周瑜に、いいじゃないかと孫策は更に顔を寄せようとする。

もみ合いになる2人。

孫堅を始めとするおじ様達がその光景を暖かく見守っていた。






他の人の言葉ではなんとも思わなくても、
好きな相手に言われると過剰反応してしまったりするといいなぁ〜vV
でも、周瑜様が知力9っぽくないですね・・・





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