「お〜い。親父!!俺も混ぜて・・・く・・・・・れ・・・・・えぇ!?」

その夜、結局周瑜が心配で寝付けなかった孫策は、

昼間ちょっと、気になっていた父親たちの酒宴に乱入してみることにしたのだが・・・・・


・・・・いや、俺は、その・・・公瑾いなくて暇だし・・・一人だと心配しすぎで、

妄想が加速しちまうから、気晴らしにでもって思っただけで。

ちょっと、面白そうな刺激でもあれば良いかもとは思ったが、

流石に、ここまでは、求めてねぇ〜ぜ。ってか刺激通り越して衝撃だろ?

ぜぇ〜はぁ〜

落ち着け、俺!!目の前の光景を良く見てみろ。見間違えってことだってある。

並んで酒を酌み交わしている、黄蓋と程普・・・ここまでは普通の酒の席の風景だ。

問題はその先だ。程普の膝に・・・紫色の塊が・・・・

げっ、やっぱ見間違えじゃねぇし。

ってか、親父・・・・すっげ〜酔っ払ってないか?

俺と公瑾んとこに乱入してくる時は、俺らにばっか飲ませて涼しい顔してやがるくせに!!

どれだけ飲んだらそうなるんだよ・・・顔は赤いし・・・表情ふにゃふにゃじゃねぇか!?

酔っ払って眠くなるのは分かるさ、すっげ〜気持よさそうにまどろんでいらっしゃる。

だが、いいのか?その膝、程普だぞ!!程普の膝枕でまどろんでていいのかよ、親父ぃ〜!!

しかも・・・ふつ〜に親父の髪を梳くお前のその手はなんなんだ?自然すぎて怖いぐらいだぜ。

ああっ、そんな目で親父を見つめてんじゃねぇよ・・・・

ってか、なんだこの雰囲気!!

まるで、俺と公瑾が・・・・・・・・・って、おい・・まさか・・

ヤったのか?もしかして、こいつ等とヤっちまったのかよ、親父ぃいいいいい!!


孫策が扉を開け放った瞬間に、飛び込んできたのは、

未だかつて見たこともないほど、酔っ払い、程普の膝を枕にまどろんでいる父親の姿だった。

その父親の髪を梳く程普の仕草は何故か堂に入っていて、程普と黄蓋が父親を見つめる視線には穏やかさの中に熱が潜んでいる。

目の前に広がる光景の余りの衝撃に、錯乱していた孫策に、声を掛けたのは黄蓋だった。

「若?どうしましたかな?遠慮せずに、どうぞ。きっと殿もじきに起きられますぞ。」

同時に杯を差し出され、条件反射で受け取ってしまう。

注がれた酒を一気に飲み干し、なんとか体勢を立て直した。

抜けきらない衝撃を持て余しながらも、探りを入れてみる。

「ね、寝てんのか?」

「今日は、初っ端からかなり、飛ばしていましたからなぁ。」

「なんか・・・・あったのかよ?」

「いいえ、ただ・・・・・」

言いかけた黄蓋の意識が逸れた。

「んん〜〜〜っ」

声と共に、紫色の塊が身じろぐ気配に、3人の視線が集まる。

ゆっくりと瞼が開き、数度瞬いた。

寝起きで潤んだ紫色の瞳が、ぽやぁ〜んと定まらない視線で辺りを彷徨う。

「殿、お目覚めですかな?」

優しく囁いた程普の手が、顔に掛かる髪をサラリとよける。

その手の感触に気持ちよさげに目を細めた孫堅の視線が程普を捕らえた。

「ああ、お前の膝は寝心地がよかったぞ。」

ふっと浮かんだ笑みに、程普と黄蓋の顔がデレっと綻ぶ。

目が覚めても相変わらず程普の膝に懐いたままの、孫堅に今度は黄蓋が声をかけた。

「どういたしますかな?殿・・・飲み直しますか?」

「そうだな、まだ飲み足りぬ。」

だが、黄蓋が差し出した杯を取ろうとはしない。

「殿?お飲みにならんので?」

いぶかしむ黄蓋を、孫堅はひらひらと手招きする。

「この杯からがよい・・・・・」

孫堅の手が伸び、近づいていた黄蓋の唇を指でなぞった。

じっと黄蓋を見上げる孫堅の瞳は、逆らいがたい引力を秘め誘いをかける。


・・・・・・・って、おい!!ちょっとまて親父!!

なに、思いっきり誘ってだよ・・・しかも今度は黄蓋を!?

膝枕でまどろんでただけでも衝撃だったのに、今度はふつ〜に接吻を強請るのか?

いったい、どこまでの関係なんだよぉ〜

いや・・こいつ等が親父のことを好きだってことぐらい知っていたさ。

だけど、こいつ等の一方的な思いじゃなかったのかよ!!


父親が男を・・・それも老将達を誘う姿を目撃し、再び混乱しかけていた孫策に程普が気付いてくれたようだ。

「殿・・・若の前ですぞ。」

嗜めるように発した程普の言葉に、孫堅の視線が始めて孫策の存在を捕らえた。

「なんだ、いたのか・・・・だが、気にすることはないだろう?コイツはこのくらいのこと公瑾とは日常茶飯事だ。」

だが、動揺することなく孫策を一瞥すると、再び黄蓋を誘う。

「ですが、わし等と公瑾では、見た目に大きな差が・・・・」

「俺は気にならん。」

「ですが、殿・・・・・・・・・・」

躊躇する黄蓋に、不満気に眉根が寄せられた・・・・と思ったのだが・・・・

一瞬、ニヤリと悪戯な笑みを垣間見た気がして、渦巻く嫌な予感に、孫策は逃げ出したくなっていた。







つづきへ






パパは酔っ払っているんです・・・・(念のため)
素面なら、息子の前で、老将達を誘ったりは致しません(多分)
あと、孫策が錯乱しすぎて、行数が嵩んだ為、続きます(笑)
別に、膝枕ぐらいで、そんなに激しく衝撃受けなくてもねぇ〜

ははは〜頑張れ孫策、この苦行!?に耐えて、ぜひパパから誘惑の伝授を!!







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