翌朝、孫策は、通りかかった部屋の前から聞こえてきた声に思わず足を止めた。

ここは、昨日親父達が飲んでいた部屋じゃないか?

まだ、いたのかよ!?

なんだろう?と好奇心に負けて聞き耳を立ててしまった孫策の耳に、孫堅のものと思われる声が聞こえてきた。

「・・・・んんっ・・・・・もっとぉ・・・」

「ぁあ・・・いい・・・」


あ、朝っぱらから、何て声出してんだよ、親父!!

あれから・・・ずっと奴等と一緒だったのか?

うわぁああ〜しかもこんな時間まで延々とヤってんのかよ!?

さすがに・・・・ヤバイだろう?誰に聞かれるか分かったもんじゃねぇ。

うぅ・・・ここは、勇気を出して止めに入るべきか・・・聞かなかったことにするべきか・・・

えぇ〜い!!部下達に示しがつかないだろうがぁ、この馬鹿親父がぁあああ!!


「親父ぃ〜!!朝っぱらから、何してやがる!!」

思い切って部屋に踏み込んだ孫策が見たものは、

うつ伏せに寝転ぶ孫堅と、その孫堅に馬乗りになり・・・・・・背を揉み解す黄蓋だった。

「お〜策か?酔ってそのまま寝たら身体が痛くてな。」

孫堅は黄蓋の手の動きに気持ちよさそうに目を細めている。

なんだ・・・身体を揉んでただけか・・・紛らわしい声出してんじゃねぇよ。

ん??いや、ちょっと待て。

酔ってそのまま寝たって、ここで?程普と黄蓋と共にか?

もしかして、身体が痛くなるようなことをこいつ等と!?

グルグルと混乱しがなら、凝視していた孫策に、孫堅が訝しげな視線を投げる。

「どうした、お前も凝っているのか?黄蓋のは絶品だぞ〜v試してみるか?」

検討違いの誘いに、なんだか脱力してしまう。

「・・・・・・いや・・・俺はいい」

「そうか?ん〜〜そこ・・・・・」

「ここ、ですかな?」

「あぁ・・・いいぞ・・・」

揉み解す手の心地よさに、孫堅の意識がすぐに孫策から逸れていく。

気持ち良さそうな吐息を漏らす孫堅の、トロトロに溶けた表情に、

何故かこのまま見ていてはいけないような気になってしまった。

自分に意識が向いていないのをいいことに、孫策はそっと部屋を後にした。












翌日、帰ってきた呉夫人に孫策は取り合えず忠告を試みた。

「お袋は、留守中に親父が浮気とか・・・してないか不安にならねぇのか?」

「なんだい?まさか、公瑾に浮気疑惑でもあるのかい?」

「公瑾は関係ねぇだろ・・・・」

「ちゃんと釘を刺していってるからねぇ。知らない女を寝台に引き入れないでおくれってね。」

自分以外に手を出すななどと、言う気はないが、自分の知らない内にどこの誰とも知れぬ女とというのは少々面白くない。

だが、出かけ際のこのお願いが、絶大な効力を夫に及ぼすことは分かっている。

こう言われると、どんなに寂しくても、外の女に一夜の慰めを求めることを躊躇してしまうのだ。

そんな夫が可愛らしく、私を大事にしてくれる夫の愛情をありがたく思っているのだが。

さて、息子は何をそんなに心配しているのだか。

「いや・・・その・・・・女だけじゃなく・・・男もって釘を刺さなくてもいいのかよ?」

「どうして、急にそんなことを、言い出すんだい?」

「うっ・・・・それは・・・・・」

口ごもる孫策に、大体の見当はついてしまう。

息子に心配させるなんて、いったいどんな羽目を外したのか。

「心配するこはないよ。少々老将達に甘えていただけだろう?」

余裕を見せる母親に、いや・・甘えるって段階かあれが?と言いたくても言えなかった。

「でも・・・万が一ってことがあると・・・・」

「大丈夫。彼等はあの人のことが大切すぎて、手なんか出せないから逆に安心だよ。」

「えっ!?」

「寂しがりやだからね。全ての手段を封じたら可哀相だろう。ふふっ、あの人、とっても可愛い一面があるんだよ。」

全てを見通した上で余裕を見せる母親に、大人って怖ぇ〜っともう、何も言う気にはなれなかった。


今回の一件で、

親の寝室になど・・・興味を示すもんじゃねぇな・・・

そう、孫策は固く心に誓ったという。





終わり




このネタ書いてて気付いたのですが、
「殿と心中希望」デッキ、R孫堅、程普、黄蓋、韓当、朱治、呉景の
呉景を呉夫人に代えた方が萌えるかもしれない!!
遠弓麻痺矢は使えるのだけど・・・呉夫人だとなんたって賢母天啓の強力コンボができるしv
あ〜でも、呉夫人だと鼻血を出させられないから駄目だ。残念!!
それに、老将達が遠慮しちゃっても困るしね。
ってことで、しばらくは現状維持な予感。

でもいつか、行き詰ったら呉夫人にしてみよう





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