孫策はしばし軍師周瑜の後ろ姿を見送ると、城攻めを任せっぱなしにしていた兵士達へと声を掛けた。

「攻城はもう十分だ。退路も出来たし、自城へ戻るぞ!!」

兵士の中には、軍師周瑜が最後に浮かべた美しい笑みにぼ〜っとしている者もいた。

だが、孫策はすばやく隊をまとめると自城に向けて兵を退く。

敵との戦闘と、城攻めのダメージに、最後に一瞬とはいえ陣略に踏み込んだことで、兵力は50%を切っていた。

撤退していた敵もそろそろ復活してくるはずで、単身敵陣に残っていては危険だ。

それに、撤退中の周瑜のことも気になって、一目散に自城を目指した。

しかし、戦場を半分も進まない内に、敵城に土煙が見えた。

嫌な予感に隊を急かすが、槍兵を率いる身では限界がある。

敵城から出てきたのは、SR孫策の率いる騎馬隊で、一直線にこちらへと向かってくる。

足を止め、牽制のために槍を向けたが、迎撃ダメージをものともぜず、乱戦に持ち込まれた。

気づいた時には、SR孫策に胸倉を掴まれていた。

「てめぇ〜、人のもんに手ぇ出してんじゃねぇよ!!」

「何勘違いしてんだ?誘って来たのはアイツの方だぜ?」

「何だと!?」

「はぁ〜。そんなことより、ちゃんと満足させてやってんのか?」

ため息交じりにそう返した瞬間、SR孫策の怒気が膨れ上がったのを感じた。

「この野郎!!生きて帰れると思うなよ!!」

SR孫策の武力が一瞬にして17に跳ね上がった。


ちょっ、ちょ、まっ・・嘘だろ?

計略まで使用しての容赦ない攻撃に、一方的に押されてしまう。

いきなり切れたSR孫策に、あっ!!っと己の重大な間違いに気がついた。

”ちゃんと、不満を聞いてやったほうがいいぜ”と言ってやるつもりだったのに・・・・

ついうっかり言い間違えた。

これじゃあ、俺が本当に軍師周瑜にちょかいを出したみたいじゃねぇか。

「待てよ。違うんだっ・・・・」

慌てて弁解しようとした孫策の横っ面に、SR孫策の拳がめり込んだ。

すでに聞く耳を持たないSR孫策に撤退を覚悟する。

あ〜あ。折角、じきに周瑜が復活するのに、入れ替わりに自分が撤退とはなぁ〜

でも、赤壁の大火を放てるだけの士気は残してあるから、後は何とかしてくれるはずだ。

すまん。後は任せたぜ・・・・


SR孫策は力尽きた孫策を見下ろすと、目的は達したというように、自身も計略の効果で力尽きる。

最後に残った護衛兵に支えられ、互いに撤退していく孫策達に、

何をやってるんだろう??と両陣営から冷たい視線が突き刺さる。

出鼻をくじかれながらも攻めの体制を整え、戦線をあげてきた敵軍に、

周瑜は、城を守るために戦場に出る。

城門で、ちょうど撤退してきた孫策とすれ違った。

「後で・・・・何があったか、詳しく聞かせてもらおう。」

ぼそり、と告げた周瑜に、孫策の護衛兵の顔が引きつった。




つづきへ























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